北海道大学トポロジー理工学教育研究センター

臨界的トポロジカル理工学研究プロジェクト

自然界における様々な系には、その大きさを特徴付ける幾つかの特徴的な長さがあります。一般に、系を特徴付ける長さの数は系の種類によって異なりますが、特別な場合としてこの数がゼロ、つまり特徴的長さが存在しないような系があります。このような系のことを「臨界系」と呼びます。臨界系は熱的相転移の臨界点や量子相転移点において実現されることが知られています。また、様々な物理現象、生命現象、社会現象における非平衡・非線形プロセスにおいて、系が自発的に臨界へと推移することがあることも知られています。このような臨界系は、地表の凹凸構造、生体組織構造、宇宙の構造など、自然界に数多く見つけることができます。臨界構造に対する計量幾何学はフラクタル幾何学として知られ、以前から研究されていますが、この構造を位相幾何学(トポロジー)の立場から研究した例はまだあまりありません。本プロジェクトは、臨界系の性質および系が自己組織的に臨界へ発展していくメカニズムをネットワーク・トポロジーの観点から理解・解明することを試みます。また、「トポロジカル物質創製プロジェクト」や「トポロジー新技術開発プロジェクト」により得られた種々の興味深い系のトポロジー構造を定量解析する手法を確立します。具体的には、以下の項目についての研究を行います。



臨界パーコレーション・ネットワーク上の局在振動励起であるフラクトンのモードパターン

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